好き嫌い。
3年に進級し、大学進学に向けて頑張らなきゃ。



そんな時だった。



新しいクラスが発表され、アキと同じクラスになったものの、香代とは離れてしまい。
寂しいね、なんて3人で中庭の日当たりのいい場所で話していた。


「よぉ。」



あの時より低くなった声がした。


「元気?」


あの時より口数が増えた。


「こ…康太君…」


実里は何が起きたのかわからなかった。
同じ学校の制服を着た、あの時より背が高くなって男の子じゃなく【男】になった奥井 康太が目の前にいる。


笑いもせず、実里を見ていた。


「な…なんで?」

「同じ高校だったんだな。よろしく、センパイ。」


それだけ言うと右手をヒラヒラ振り何処かへ行ってしまった。



実里だけじゃなく、アキも香代も驚いて声が出ない。


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