好き嫌い。
「お願いだから離して。彼女に怒られるよ?」

「あー、別れた。」


まるで康太を背負っているみたいな…そんな感じ。


「彼女がいないから、自分を好きだって言った女で間に合わせるつもり?」

あったかい背中が離れていく。
いいんだ、これで。もう、何も思い残すことないから。


12歳からの思い、全部捨てて行くんだから。


「じゃあね。バイバイ。」


振り向かずにその場を離れた。

康太の顔も見ずに…。

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