ひつじちゃんの夢羊くん
「夢未、夢未」



ゆさゆさと揺らされる体。



んー?もう朝なの?ねむーい。



と、目をゴシゴシしながら、あくびを出した。



「応援って、何をすればいい?」



「・・・え?」



ベッドの布団の中で目を開いた私は、




「き、きゃあぁぁぁー・・・」



叫んだ。




けど怖すぎて声が出てこない。




「こらこら、夜中に叫んだらみんな起きちゃうよ。静かに」




と私をたしなめるのは、




「白井くん?どうしてここに・・・」



私の片想い中の彼、白井くんに間違いなかった。




しかも、なぜか、その、はだかで。




「どうしてって、夢未とは時々こうして寝てたでしょ?」




「ね、寝てません。何、どうやってウチに入ったんですか?」




「何?わからないの?」




えええ?わかる訳がないよー。




どうして私のベッドで、しかもはだかで一緒に時々寝てる、なんて。




あ、そうか。これは夢だ。そうだ、そうに違いない。




目をこうして見開いて、私、起きてっ!



・・・アレ?



「何やってんの?夢未、早く寝ないと明日予備校でしょ?羊詞くんの為にあの服着るんでしょう?」



「今、羊詞くんって言った?じゃあ、あなた、誰?」



夢だけど、羊詞くんか、そっくりさんか確かめておかないと、不気味だから。




「夢未にはいつも『ひつじくん』って呼ばれてるけど?」



ひ、ひつじくん?



どう見ても羊詞くんにしか見えないけれど。



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