◇◆近距離恋愛◆◇
美海の家のチャイムの前で何故か緊張している俺



なんだか久しぶりな気がする


美海の家に行くのも


もし美海が出てきたら
美海と話すのも久しぶりだ


俺は握っている袋に力を入れ、ボタンを押した



そうすると中からパタパタと走ってくる足音



勢いよく開くドア



思わず唾を飲み込んだ



「あら、隼人くんじゃない♪久しぶりね!どうしたの?美海?」



出てきたのはユミコさんで少しホッとした


「あぁ、ちがくて…これ、母さんから」


オドオドしながら袋を手渡すとユミコさんは優しく微笑む


「まあ、ありがとう!嬉しいわ♪もしかしてバレンタインのお返しかしら?」


なんて舌を出しながら冗談っぽく笑うユミコさん



「いやいや、俺、ユミコさんからも美海からも貰ってませんから」



当たり前のように言う俺にたいしてユミコさんは不思議そうな顔をして口を開いた


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