◇◆近距離恋愛◆◇

「では、ごゆっくり〜」



ものすごい笑顔をしたユミコさんは手をふってリビングへ降りていった



なぜかユミコさんのあのノリで今美海の部屋にいる俺


もちろん美海は俺を不思議そうに見ていた



「は、隼人…。どうしたの?」



わざとらしく俺から目を背けてベッドに腰かける美海


「あぁ、ちょっと…なんか、こうなった」



相変わらずいい言葉が見つからない俺も美海から目線をずらす



沈黙が流れるなか、美海の部屋を見渡す



美海の部屋に来たのはあのキス事件のとき以来



だからかわからないけど美海は警戒して俺に近づこうとしない



「なんか、遠くね?」



さりげなく口にすると美海は寂しそうに笑った



「いいの。これくらいの距離がちょうどいい。

隼人は柴崎さんの彼氏だし。それにこの距離美海たちそのものみたいじゃない?」


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