◇◆近距離恋愛◆◇
「あたしの方が…
隼人のいいところたくさん知ってるもん
あたしの方が隼人のこと好きだし、隼人のこと幸せにできる!
隼人のこと利用するなんで絶対許さないんだから!」
次から次へと言葉は溢れてその数だけ涙も溢れた
隼人?
あたし、
こんなに
こんなに
あなたのこと
好きなのに…
何故あたしじゃだめなの?
「それがどーしたの?だから何?
あんたはただの幼なじみでしょ?ひかるは隼人くんの彼女なの。
今はあんたよりもひかるの方が近いんだから」
あたしの目の前に立ち、あたしを鋭い目で見つめる柴崎さん
そんな言葉に何も言い返せなくて
ただただ
手に力が入った
「ほんっとあんたってしつこいよね…。
隼人くんも隼人くんだけど、あなたたち幼なじみどうしどおかしちゃってッ…ー」
バシンッ…!
教室に響き渡った痛々しい音
柴崎さんは赤くなった頬を抑え、同時にあたしは自分の手を見つめた
一瞬、時が止まった気がした…。