◇◆近距離恋愛◆◇

学校で毎日顔は見ていたけどこんなに近くで見たのは久しぶりで



可愛くて
愛しくて
しょうがない



美海は赤い顔をして
おでこにタオルをのせて
寝ていた



起こしちゃ行けないと
ノートと
ゼリーが入った袋をテーブルに置いて



タオルを一回冷水で洗ったあともう一度小さなおでこに載せてやった



今こんなに近くにいるのに


俺はこうやって見てることしかできない



ほんとは抱き締めて
自分のものにしたかった



なあ、美海
おまえは誰を想って泣いたんだ?



頬に残る涙の跡と
まだ濡れているまつ毛


俺はそっと頭をひと撫でしたあと部屋を出ようとしたその時



「…隼、人?」



美海の透き通った小さな声が俺の足を止めたんだ


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