◇◆近距離恋愛◆◇

そしてあたしの涙をそっと指にすくうと口を開く



「今、何て言った?美海が俺のこと…?」



「好き…。ずっと好きだった。ただの幼なじみなんていやだったの」



隼人をまっすぐ見上げながら気持ちを全部伝えた


あたしがいい終えた瞬間
隼人は優しくあたしを包み込んだ



「俺も…。俺も美海のこと好き。
ごめんな、言わせちゃって。もっと早く俺が気づけばよかった。」



隼人のそんなことばに
またたくさんの涙が溢れた



信じられない…
何がなんだかわからなくてあたしの頭は混乱していた


「でも、隼人には柴崎さんが…」



「それはお前を忘れるため!柴崎も俺が今でも美海が好きって承知の上で付き合ってんの! 」


その言葉を聞いたあとあたしはまた隼人に抱きついた


「じゃあこれからまた二人でいれるんだよね?


美海、隼人の彼女になれるの?」



今ならこんな恥ずかしいことだって言える



「もちろん」


隼人はそう言うと
あたしにそっとキスをした

< 270 / 275 >

この作品をシェア

pagetop