シルバーブレット
「ガキを連れてきて下さい。墓場までドライブしましょう。」


「さ…せるか…よ…」



肩で息をしふらつきながらも、烏田切を睨んだまま片膝をついて起き上がる。



「そんな体でよく言いますね。諦めも肝心ですよ。」



「諦め、られるかよ。こいつもてめーらも牢獄にぶちこむまではな。」



既に気を失っているのか、右横にいる蘇芽は微動だにしない。

口元が微かに動いているので息をしているのは辛うじて分かるが、撃たれているので早く処置をしないとまずい。



「(どうすりゃいい……、春貴が逃げ回ってもこの人数じゃすぐ追い付かれる。)」



一層不利になった状況に、煌は自分の考えの甘さを痛感する。


烏田切は、口調は多少荒いもののほぼ落ち着きを取り戻していた。


外国人達も煌が抵抗する事が分かったのか、角材を持ったまま身構えている。
< 104 / 146 >

この作品をシェア

pagetop