シルバーブレット
「ぐっ、私に触るなっ!」



捜査員数人に取り押さえられてもなお、烏田切は抵抗する。



「いい加減に観念しろ。往生際が悪ぃ奴だな。」



烏田切が持っていた2丁の拳銃は既に押収されているし、手負いの状態では捜査員には敵わない。


それにも関わらず叫んでいる烏田切に、煌は思わず溜め息が出る。



「親子揃って私の邪魔をするな!!!」


「親子?」



烏田切が叫んだ 親子 という言葉に、煌以外の全員がハテナを浮かべる。



「合併の時も、襲名の時も、今回も!お前ら親子が俺の邪魔ばかり……」



「そこまでだ、烏田切!」



叫び続ける烏田切の言葉に割って入ったのは、この場にいる筈がない人物だった。



「か、頭……!」


「緒方!何故ここに!?」



張り込みを解除したので、出入りは自由だが緒方が行動を起こすとは思っていなかった為、志麻も五課も驚きを隠せない。


周りを見ても舎弟達を引き連れてはおらず、緒方は1人のようだ。
< 112 / 146 >

この作品をシェア

pagetop