シルバーブレット
「なんだ分かってたんスか?そのクラブが白雪だって。」



「昨日捕まえた組のフロント企業で、蘇芽が頻繁出入りしていたんだ。聞いてたんじゃないのか?」



「聞こえてきたのはおやっさんがクラブにいた、というところからっスよ。」



「それに聞いてたんじゃなくて、志麻さん達の声デカイから廊下まで聞こえてきただけですよ。結構重要なことなんだからもう少しボリューム抑えましょうよ~」



「うるせぇ。元々この大きさだ。」



「まあまあ2人とも…」



言ってることは最もであるが、その光景は子供の喧嘩のようで内心、また始まったと呆れながら瀬羅はなだめる。


煌はその後ろで五課の捜査員にさっき志麻達が聞いた報告を受けていた。



「じゃあ後は物的証拠っスね。癒鼬組にガサいれらんないんスか?」



「烏田切の口調からして組本部にある可能性はかなり低いですね。自信たっぷりでしたから。上手く隠しているか、あるいは経営している企業のどこかに…」
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