危険なキス
ねむ……
お昼後すぐの世界史ほど、眠いものはない。
あたしはあくびを噛みしめて、つらつらと書かれる黒板をノートに写していた。
見渡すと、結構な数の生徒が寝ていて、楠木もそのうちの一人だった。
この授業が終われば、今日も一日終わる…。
確か今日は……
あ……。
そう気合を入れて、再び眠りを振り切ろうとしたが、そのあとの予定を思い出して少しへこんだ。
最悪……。
今日は水曜日。
家庭教師の日だ。