危険なキス
「学校中、噂になってますよー。
湯浅先生が、一人の女生徒をお姫様抱っこしてた、って。
しかもいつもと口調が全然違ってた、って」
「……ああ」
俺は、紫乃を送り届ける前の自分の行動を思い返してみた。
確かに、噂になってもおかしくない行動だ。
「らしくねーんじゃねぇの?生徒の前で、仮面とれちまうなんて」
「そうだな。うかつだった」
俺としては、かなりの失態。
たとえ、紫乃を抱きかかえたとしても、もっと冷静になっておくべきだった。