危険なキス
「数問、意地悪問題しかけておいたんだけどな」
「あ、気付きましたよ。最初ちょっと騙されてて、見直しでやり直しましたから」
「へー。やるじゃん」
「湯浅先生のやりそうなことですから」
湯浅先生が、家庭教師についてから3カ月。
本性を知ってから、1ヶ月。
いい加減、だんだんとこの人のことが分かってきた。
「そんな紫乃ちゃんに、ご褒美あげようか」
「え?」
めずらしく、優しい言葉をかけてくれた先生。
あたしは気になって、顔をあげた。