危険なキス
「じゃあ、今日はここまで。
次までに、58ページから75ページに目を通しておくように」
「次回って二日後じゃん!そんなに詰め込めないですよ!」
「受験生が何言ってんだ。試験までに、50回以上問題解くと思え」
「………はい」
鬼だ…。
と、思ったけど、声に出すのはやめた。
だってきっと先生の言っていることは正論だから。
たぶん、この先生についていれば、志望大学にも受かること間違いないだろう。
「あ、そうそう」
部屋を出る瞬間に、先生がこっちを振り向く。
「今度はミニスカ履いとけよ」
「……っ最低!!」
でもやっぱり、この先生だけは好きになれない。
あたしの天敵は女たらし。
早く受験が終わってほしい……
と切に願った。