危険なキス
「あ、もしかしてもう話したの?」
「いや……まだ、だけど……」
あたしには分からないような話を、二人はごにょごにょと話してる。
一体何のことなのかと思い、あたしは二人から切り出されるのを待っていた。
「じゃあ、あたしから言うね。紫乃!」
「何?」
麻衣子はあたしの顔を覗き込む。
そしていきなり、グイッと繋がれた手を目の前に見せてきた。
「じゃーん!あたしたち、付き合うことになったんだ!!」
そこにある繋がれた手は、
まぎれもなく、麻衣子と楠木の手だった。