オフィスラヴ-鬼上司の対処方法ー
あれから…有栖川部長にミスして怒られるコトもなく定時を迎えた。


 
「おい…綾部」


パーテーションの仕切りから漆黒の瞳だけ出して有栖川部長が私を呼んだ。



さっき提出した報告書に何か不備があったんだろうか?



「はい…」
私は弾かれたように席を立って小走りで部長の前に行った。




「先ほど…出した報告書に何か不備が…」



「…この文字の変換が間違ってる…」


部長はサッと私の手元に報告書を突き出す。



「申し訳御座いません…今すぐに…」



「…構わない…これは社内で回す報告書だ…俺が修正液で直す…今後は気を付けろ」



「あ、はいっ」



部長が私のフォローをしてくれるなんて初めてだ…
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