オフィスラヴ-鬼上司の対処方法ー
「誰にしようか…」



香奈枝に会う当日まで…俺の偽カノは決まらなかった。

おかげで今日は寝不足だ。


出勤途中から…大きな欠伸が出ていた。


部下たちには間抜けな欠伸は見せられない。


デスクの回りを囲む低いパーテーションの仕切りが役に立った。



俺は顔を俯かせて欠伸をしていた。



ガシャン。


静かな朝、フロアに響く陶器の割れる音。


まさか…また…綾部のヤツ…俺の湯呑を…


俺は仕切りから顔を出して音の根源を見つめる。



「うっ」



悪い予感は的中した…

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