オフィスラヴ-鬼上司の対処方法ー
私は、慌てて右手に布巾、左手に塵取りと箒を持ってフロアに戻る。



みんなのお茶は既に各自でデスクに運ばれていた。



空のトレーだけが美木さんのデスクの端に置かれていたが、有栖川部長の割れた湯呑の残骸は床に散らばったまま、放置されていた。


カタカタと小刻みに聞えるキーボードの音に電話の鳴り響く音。

みんな忙しいのだ・・・


私は湯呑の残骸を拾って、塵取りの上に乗せる。



「痛っ…」



湯呑の破片で右手の中指を切ってしまった。




「…おいっ…お前は全く…不注意だな」


しゃがみ込んだ私の頭上に迫る大きな影と威圧的な低い声。



有栖川部長ーーー・・・


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