ミカンとおれんじ ~High School~
「あんたが守ってくれるんでしょ?」


綾場さんが二カッと笑って言う。


その言葉に、ぶんぶんと首を縦に振った。


「ありがとう!!綾場さん!!」


そう叫んで、綾場さんの首に抱きついた。


「っちょ、待ってよ、アタシ、そういう趣味は無いんだからね?」


アワアワとあたしを引き離そうとする綾場さん。


周囲は何事かとあたし達を横眼で見ながら歩いている。


その中から1人、人が近づいてきて、あたしの頭をぽん、と軽く叩いた。


そして、


「――――良かったな」


という、聴き覚えのある、男の人の声が聞こえた。


抱きついていて顔は見えなかったけど、あれは、......萩尾くん、だったと思う。
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