ミカンとおれんじ ~High School~
3番の隣は......4番。


「4番の人は、誰なんだろう......」


席をガタガタと移動して、隣の人が来るのを待つ。


すると......


「あの......そこちょっとずれて下さい」


1人の男子が暗い声でそう言ってきた。


「あ。席、あたしの隣?よろしくね!!萩尾くん」


「......」


私が笑って言うと、萩尾くんはチラッと無表情でこっちを見ただけで、返事をしてくれなかった。


「うっわー、柑菜、ネクラの隣!?もー、ウチがなりたかったのにー」


クラスメイトの女の子が叫んだ。


『萩尾』『ネクラ』とは、クラスで1番地味と言われてる、萩尾蓮二(ハギオ レンジ)くん。


成績はいつもトップ。


いつも人を寄せ付けず、教室の端っこで音楽を聴いてるか、何かノートに書き留めてる。


そのせいで、付いたあだ名が、『ネクラ』。
< 3 / 128 >

この作品をシェア

pagetop