蒼海の彼方に〜涙雨が止んだら〜
第1章

プロローグ




ーーーパタン



「はぁ…。」


少女の小さいため息と共にケータイを閉じる音が静かな部屋に響いた。

これで何度目だろう…。さっきからケータイを開いては閉じての繰り返し。
何度開いても“新着メールはありません”の文字が嫌でも視界に入る。


「もう嫌になっちゃうよ、こんな自分が…」


少女は小さく呟くとベットに寝転んだ。
鳴らないケータイを握りしめながら。


そして眠った。
明日朝起きたらメール来てるかな?

そう信じてーーーーーー。

< 1 / 2 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop