恋愛モノ短編集
緊張
氷の上を踊るのは、楽しい。


真っ白なスケート靴、可愛いドレス、観客の拍手喝采。


私は、今まで苦労して練習してきたフィギュアスケートの成果を発揮する状況にいる。


幼い頃から、私のお父さんが何度もスケートリンクに連れていっては、私の体中に痣を作らせていたらしい。


今となっては感謝しているが、その時お母さんが感じた私への同情を考えると、前向きに感謝はできなさそうだが。


お父さんは、いつも「もしお前が男の子だったら、アイスホッケーを教えてたんだけどな。」なんて私に言って聞かせる。


何でも、高校生の時カナダに留学して、スケートの素晴らしさを知ったらしい。


お父さんは、そこで知り合った、私のお母さんと結婚するんだけど、これはまた別のお話。
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