ホントに大切なもの☆
最低な俺【明希☆視点】
【明希 視点】

"もう好きじゃない"

そう来瞳に別れを告げられてから俺は、寂しさを埋めるように夜な夜な遊びまくっていた

美嘉が「明希さ~ん、彼女と別れたんですか~?」と言った

俺は、「あ?そんなんおらんわ」と返した

今日も美嘉は、俺の横にいる

得意ではない酒に酔って忘れようとする

決まってその後は、女を抱く

どんなに違う女を抱いても心が満たされる事はない

メンバーで食事中でもお構いなしに美嘉と絡む

そんな日々が当たり前になっていた

そんな時、yukiyaが無理に来瞳の事を忘れようとしている俺を見ていられなくなったのだろう「明希、ええ加減やめとき」と言った

この時の俺は、来瞳に捨てられどうでもよくなり「ええやん、こんなんで女は喜ぶんやし」とyukiyaに言うと美嘉が「そうですよ!私は今幸せです~」と言った
するとyukiyaが困った様に「そういう事や…あっ…」と言いyukiyaが店の出入口を見た

そのyukiyaを見て俺は、「どないしたん?」とyukiyaに言って俺もその方向を見た

俺は、ある人物を見て思わず「あっ…」と声を漏らした

するとそんな俺の様子を見ていた美嘉が「誰かいるんですか?」と俺に聞いてきた

来瞳と来瞳のマネージャーがいた

来瞳は、帽子を深く被っていたがyukiyaと俺はすぐにわかった

そして来瞳は、俺達の後ろの席に座った

俺は、何故だかニット帽を深く被り直した

メンバーも気を使って話を止める

ただ美嘉だけは違った

美嘉は、後ろに居る来瞳に聞こえる様に「明希さ~ん!いつもみたいにキスして下さいよ~」と言い出した

そんな事を言われた俺は、思わず「はっ…お前…」と言っていた

すると俺達の後ろに座っていた来瞳が「えっ…」とこっちを見た

微かに聞こえた明希の声

美嘉がそんなのお構いなしに「あっ!来瞳さん、偶然ですね!」と美嘉が席を立ちわざとらしく声をかけた
来瞳は、そんな美嘉を見て「やっぱりあんたの声だったのね」と言って溜め息を吐いた

すると美嘉が「なんでここにいるんですか~?ツアーじゃないんですか?」と言った

来瞳が苛々しながら「ツアーよ…ここが好きで良く来るの、悪い?」と美嘉に言い返した

美嘉は、悪びれた風でもなく「そうなんですか~!あっ、皆さんいますよ!」と言った

来瞳が「知ってる…」と言うと美嘉が「一緒に飲みますか~?」と言ったが来瞳が「遠慮する、すぐ帰るから」と言って断った

すると美嘉が「そんなピリピリして彼氏にでも振られたんですか~?」とわざとらしく来瞳に聞いた

それを見ていたyukiyaが「ちょっ…」と美嘉を止め、明希は席を立ち、俺達の席に来た

来瞳が「皆さん、お久しぶりです」と作り笑いで挨拶をした

美嘉は、俺の隣に座り、腕を絡める

すると来瞳が俺に向かって「明希さん見えてますよ…」と言い来瞳は、俺の赤い痕に気付いて首をチラッと見た

俺は何も答えなかった…

気まずい空気の中、雅さんが来瞳に向かって「おっ…おう!久し振り!ツアー頑張ってるか?」と言った

来瞳が「はい!」と言い俺は、「………」無言のまま来瞳の顔を見る事なく下を向いたままだった

暫くして美嘉が「明希さ~ん、いつもみたいにエロい事して下さいよ~」と言い暫く沈黙が流れる

すると来瞳が「取り込み中みたいなんで、失礼します」と言って来瞳は、飯を食わずマネージャーと店を出て行った

それから暫くして雅さんが「お前、余計な事すんな~」と美嘉に言った

「余計な事ってなんですか?」と美嘉が言うと雅さんが気まずそうに「あっ…なんでもない」と言った

「………」暫くみんな無言が続き、そして俺達も会計を済まし店を出た時、yukiyaが「明希…ほんまにええの?」と俺に聞いてきた

「………」俺は何も言わずその夜、美嘉を抱いた

美嘉がベッドで「明希さん…アッ…好きです…」と言った

俺は、そんな美嘉の言葉に「名前呼ぶなや…」と面倒臭そうに言った

"来瞳"

こんな時でも来瞳を想う

俺が欲しいモノは、美嘉じゃない…

俺は、「止めた…」と言い行為を途中で止めてシャワーを浴びた
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