ホントに大切なもの☆
愛しい君のホントの気持ち【明希☆視点】
【明希 視点】

俺は、来瞳の家を見て「えっ…ココなん?」とビックリして訊いた

マネージャーが「この場所知ってますか?」と訊いてきたので俺が「いや…知らへんけど…」と言うとマネージャーは、「ココは、来瞳がデビューする前に住んでたアパートです…」と言った

俺が「そんなん知らへんかったわ…」と言うとマネージャーが「部屋に灯りが付いてないんで、コンビニに行ってると思います。少し待ちましょう」と言った

俺が「なんでココにおるん?」とマネージャーに訊くとマネージャーは、「2日前の朝にいきなり"新しい家を探して欲しい"と言われたんです…理由は教えてくれません…」と困った様に言った

俺が「2日前…」と呟くとマネージャーが「何か言いました?」と訊いてきた

俺は、「いや…なぁ、活動休止っていう噂出てるらしいけど…それほんまなん?」と訊くとマネージャーが「それは…まだ詳しくは決まってませんが…事務所側は少し前に本人から聞きました…でも理由がわからないんです…ネット上では"結婚"だとか"もう旬じゃないから"とか言われてますが…何度本人に聞いても答えないんです…」と言った

俺は、「なんでやねん…」と呟いた

更にマネージャーが「でもそれ以外にすぐ引っ越さなければならない原因が何かあったと私は思ってます…」と言った

車の中で話してると急に雨が降ってきた

きっとこの前の電話が原因だろう…

「やっぱり…俺か…」と俺は呟き、頭を抱え、今になって後悔する

そして、前から走ってくる人影が見えた

「来瞳!」と俺は、車を飛び降り、名前を呼んだ

俺は、もう一度「来瞳!」と言うと来瞳が「明希…」と言って俺に気付き、持っていたコンビニの袋を落とした

俺は、「明希…頼む…帰ってきて…」と言いゆっくり来瞳に近付く

でも来瞳は、首を左右に振り、後ろへ下がっていく

俺が「来瞳…誤解せんといて…美雨とは何もないねん… 美雨は…」と言うと来瞳が「知ってるよ…元カノでしょ…」と言った

俺が「なんで…知って…」と言うと来瞳が「…この前も…会ってたんでしょ…?仕事って嘘ついて…」と言い俺が「それは…」と濁すと来瞳が「まだ好きなんでしょ…?だから私に説明できないんでしょ…?それに…私と付き合ってる事言ってない…なんで言ってないの…?」と言った

俺が「悪い…でも!ちゃんと言った…言ったから…そんな悲しい顔せんといて…俺を信じて…」と言うと来瞳は、「悲しい顔…?させてるのは明希じゃない!私だって…信じようって思ったよ!思ったのに…思ったのに…帰って来なかった…」と言った

俺は、「来瞳…」と呟き、来瞳を抱き締めようとした
そして「来瞳…お願いやし、話を聞いて…帰ってきてや…ほんまに美雨の事は…」と俺が言うと来瞳が「もういいよ…もういい…」とそう言う来瞳の顔は、今にも泣き出しそうで…

軽く考えてた自分を責めた
「来瞳…」と俺は呟き、来瞳の腕を掴む

でも来瞳は、俺の手を払い、走り去る

そんな来瞳に「来瞳!」と叫んだが暗闇に消える

それでも尚、来瞳に叫ぶ

「愛してる!愛してるから!来瞳だけを愛してるから!」と言ったがその声は、雨に消され届かない

今、追わなかったらもっと後悔してしまう…

でも足が動かない

無理矢理足を動かし、後を追って来瞳を探した

でも道がわからず、何処に行ったのかわからない…

「ハァ…ハァ…」

俺の嘘のせいで…

泣かせてしまった…

雨は止むどころか強くなっていく

俺は、「ごめん…来瞳…ごめん…」と言い膝をつく

するとマネージャーが「明希さん!」と言い俺に傘を差し出す

「今日は帰りましょう…送ります…来瞳は、私が後で探しますから…」とマネージャーが言った

「俺は…ほんまに愛してるねん…だから…だから…」と俺は、言い震える手でポケットから指輪の入った箱を取り出す

それを見たマネージャーが「明希さん…それ…」と言った
その後、車に乗せられ、家へ帰った
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