Street Ball
敗者復活戦1
夜空には満天の星が散りばめられ、淡く光を放つ三日月を引き立たせていた。


手が届けば刺さってしまいそうな程、三日月は両端を鋭く尖らせている。


視線を地面に戻すと、[SB]の前で泰二と鉄が既に待っていた。


黒いデニムのハーフパンツに、色褪せた橙色のTシャツを着て、ヘアバンドを首から下げている泰二。


隣では鉄が、暗闇にタバコの煙を浮かせ、逸る気持ちを抑えていた。


「じゃ行くか。」


頷く二人と翠を連れ、[SB]の扉を開いた。


レジ前に有るドアの窓からは、三回目となる敗者復活戦の一回戦が行われている。
< 134 / 410 >

この作品をシェア

pagetop