Street Ball
時刻表通りの時間に滑り込んできた電車に乗り込む。


広々としている電車内は、ベンチシートに数人程が座っているだけだ。


その中でも利用者の少ないベンチシートを見つけ、腰を滑らした状態で座った。


一通り中吊りに目を通した後、発車を知らせる車掌の声が聞こえてくる。


徐々にスピードを上げていく電車内で、俺はゆっくりと瞼を閉じた。


そろそろ、高校に通い始めて二ヶ月が経とうとしている。


夏休み前で今一浮き足立てないこの気分と、どんよりと曇った天気が見事に同調した。
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