そしてまた、キミに。
「…せ…んせ…?」
「……」
依然、黙ったままの先生。
離れようとする私を強い腕が離さない。
沈黙の中、やっと先生が口を開いた。
「…松田さん。
無理…しなくていいよ」
「…っ」
切なげに言った先生の言葉が
私の心を溶かす。
「……っ…」
堪えていた涙が一気に溢れ出した。
先生は私の頭を腕の中にすっぽりとうずめて、なだめるように優しく撫でた。
一定のリズムを奏でる先生の鼓動が
私を安心させる。
全てを預けるように、優しい温もりに包まれながら声をあげて泣いた。