そしてまた、キミに。



優は完全に壊れてしまっていた。

授業中に突然叫び出したり、
繋がるはずのない晃の番号に何百回も電話をかけたり、
トラックに乗っていた人を教えろと先生に問い詰めたり、
無表情でひたすら涙を流していたり。

それから…

何度も何度も死のうとした。


そして、自分の所為だと、自分が悪いんだと何度も何度も叫んでいた。




晃の事故から時間が経つに連れ少しずつ落ち着いてきたけど、それに反比例するように優はどんどん感情を失っていった。

笑うことも、怒ることも、泣くことでさえ、しなくなっていた。



ーーー

「それから1年くらい経って、
清水君が転校してきたの。

晃について、私が話せるのはこのくらい…っ」

話し終え、清水君に目をやると、
その様子に驚き言葉に詰まった。


「清水君…」


清水君は、瞼を真っ赤にして
ボロボロと涙を流していた。

そして、何に対する、
誰に向けた言葉なのか、

「ごめん…」

と、ひたすら謝まり続けた。


ふいに自分の頬に触れると、気づかないうちに流していた涙で濡れていた。




< 220 / 417 >

この作品をシェア

pagetop