そしてまた、キミに。



放課後。
今日は部活がオフだと聞いて、宮本先生の教室で優のことを話していた。


「うん。
優、すごく真剣な表情してた」

「へー…なんかそれ凄いね」

「でしょ?
あんな優は久しぶりに見たよ」

先生は嬉しそうに、
笑みを浮かべながら聞いてくれる。


「なんかね、少しずついい方向に進んでる気がするの。
優と仲直りできたし、清水君ともちゃんと向き合ってくれたのかなって」

「そっか」


「優…前みたいに笑ってくれるかな」


晃といたときみたいに…



記憶をたどって思い返していると、

先生が微笑みながらじっと私を見ていた。



「先生…?」


「松田さん、本当に坂口さんのこと好きなんだね。
今、凄くいい顔してる」


「え…そうですか?」



「俺も嬉しいよ。
松田さんの笑顔がみられて。

やっぱり二人は一緒にいなきゃな」


先生…


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