復讐

幼馴染

約束

北方の山奥に、それは大そう美しい女性がいた。

「俊柵（しゅんさく）！！見てみて！この野原にコスモスがいっぱい咲いてる！！」

彼女の名前は、燐　暁雲（リン・ギョウウン）。この国一の佳人だ。

「あまり、走ると転ぶぞ。暁雲は粗忽だからな。」

彼女を見ながら微笑む彼は、心の優しい暁雲の恋人、呉　俊柵（ゴ・シュンサク）だ。

「キャアアアアアア！！」と叫び声を上げ、足を滑らせる私。
「だから言わんこっちゃない。」と彼に二の腕をつかまれ、私を立たせる。
そして、私の服に付いた土や草を払い、「粗忽者！」と言って私に微笑む。
その笑顔を見られるだけで、彼と一緒にいられるだけで私は幸せだった。

「なぁ、一つ頼みがあるんだけど。」と彼は真面目な顔になったかと思うと
１５ｃｍ以上私の上にある彼の顔が私を見下ろした。

「そうやって、むやみに他の人にも笑顔を向けないでくれないか？」
「へ？なんで？」
「いや、あまりに無邪気に微笑まれたらみんなが期待するだろ？」
「何言ってるの。」と言って私は思わず笑った。

「嫌だよ～ん！」と言って彼の肩に軽いパンチを食らわした。
俊柵といるともっと妬かせたくなる。困らせたくなる。

「なんだよ！」彼は走り回る私の後を追いかけると「こいつ～」と言って私を抱きしめた。