兄弟的同性愛事情
*手を繋いで
〜李桜side〜



言いたいことがなかった訳ではないけれど、何かをいう気にはならなかった。


意味わからない、と腹を立てている自分が居たのも確かで。


でも、自分の意気地の無さが距離を作った気がするから、だから何も言わない。


あのまま僕らは和解した。


ハルヒさんが何度も僕に謝るから、僕が悪いことをしているみたいで戸惑ってしまった。

その間も、今家へ向かっている時も


隣にはずっとお兄ちゃんが居てくれた。


元の鞘に収まってみると、やっぱりここに居たい。ここは自分の場所だと思った。

「兄ちゃん、お腹すいてない?スープなら家にあるんだけど」

「うん、食べたい」


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