大人になりたい
なんとか切り抜けたけど…………
実際は理解出来てないわけで…………


授業の終わりのチャイムが鳴った。

「瀬川ーちょっといいか?」

ドキッ…先生………

「は、はい!」

廊下に手招きされて先生に近寄る。

「今日の指した問題。まぐれだろ、当たったの。」

ギクッ…………バレてる………………

「あ、あ、あの……………」

「そんなキョドるなよ!どこが分かんない?」

ぜ、全部………なんて言えない………

「あー。全部か………」

心読まれてる??

「別に心読んでるわけじゃねーよ?」

?!?!?!?!?!?!
絶対読んでる!エスパーでしょ!

「瀬川がわかりやすいだけだからな?エスパーとか、超能力とかねぇよ?」

…………………………………………。
もう驚かない…………………
全部お見通しだったか…

「図星か?」

「なぜ………それを…」

「お前のこと見てれば分かるわ!」

え…見ててくれてるんだ…

「だから、今日!放課後特別に化学の特訓してやるから!ありがたく思えよー?」

「は?特訓??何それ………?」

「放課後授業してやるっていってんの!絶対来いよ?」

う゛…
でも…先生にまた会えるんだ!

「行きます…………。」

「妙に素直だなー?怪しい…」

「あ、あ、あや、怪しくなんかないですって!」

「瀬川は何か別のこと考えてると挙動不審になるからなー。」

「別のことなんて考えてません!大丈夫です!」

「ならいいけど。放課後…………あ、あの教室にしよーか。セミナー室。」

「あ、はい!」

「じゃあ、放課後な!」

そう言って先生は爽やかな笑顔で去っていった。

だめだ…
好きすぎる。
勉強なんか身に入らない………

瀬川夏希 人生最大の恋の病 発病です。
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