大人になりたい

「………………ごめんな、ごめん。守ってやれなくて…………………………。」

違うよ。
慶太は……守ってくれたよ。

悪いのは……
帰っておけって言われたのに帰らなかった私なんだから……

でもっ…………

涙が……とまらない。

「とりあえず……家帰るか。」

「っ……慶太…………。お願いっ……そばにいて…………?一人で家にいるのは怖い……」

「ん。そのつもり。親いねぇんだろ?…………心配すんな。絶対離さねぇから。」

「うん。」


無言の車内。
あっという間に家に着く。

「…………シャワー浴びてくる…………気持ちわるい………………」

「大丈夫か?………………着替え持ってこようか……?」

普段だったら恥ずかしくってそんなこと頼めないけど。
あたしにはそんな気力がなかった。

「……適当に服………………」

「ん。分かった。入ってこい。脱衣所に服とタオル置いとくから。クローゼット開けるけどいいか?」

「ぅん………………」

私の声は自分でもびっくりするほど小さかった。


ジャ--))
お湯を出してシャワーを浴びる。
気持ちわるい。
男たちに触られた所のすべてが汚く感じる。
こすってもこすっても
洗っても流しても消えない。

「ぅっ………………ふぇ………………ふぇっ、ぅわぁ………………」


涙が溢れる。

訳が分らない。

犯されたわけじゃないけど
男たちのあのイヤらしい目つき。

身体に触る気持ち悪い手。



涙が




止まらない。

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