White X'mas

翌日、店を早めに切り上げた俺は、久しぶりに着る少し高めのジャケットに袖を通し、ニヤニヤする兄貴に見送られて店を出た。

電飾の瞬く通りへ出ると、はらりと舞い落ちる白いもの。

「雪か……」

白に包まれたこの街角を思い描き、俺は少しだけ、笑みをこぼした。



メリークリスマス。

この小さく白い花びらが、舞い降りた全ての場所に幸せを運びますように。



ガラにもない聖人めいた祈りを心の中で唱えて、俺はざわめく人混みを歩き出す。


腕いっぱいのホワイトクリスマス、それと、彼女のコンサートチケットをポケットに忍ばせて……







               fin


< 28 / 28 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:22

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

表紙を見る 表紙を閉じる
牧田紗良(まきた さら)、19歳。 私には、誰と付き合っても 忘れられない人がいる。 その人に会いたくてたまらないのに、 会えば、いつも辛くなる……そんな人が。 叶わなかった初恋を、 受け止めてもらえるなら…… この気持ちは……罪ですか? ミドサー伯父 ✖️ 10代の姪っ子 禁断の恋 2022.7.25 完結 伯父:雄太の 【そして僕はまた、君と出会える時を待つ】 を合わせて読むのもオススメです♪
そして僕はまた、君に出会える時を待つ

総文字数/33,191

恋愛(その他)83ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
鈴木 雄太(すずき ゆうた) 25才。 彼女は、僕よりもずっと大人の、 素敵な女性で。 何も持たなかった僕に、 憧れていた全てを与えてくれた人。 君に出会って、全てが変わった。 ひとまわりと、三ヶ月。 僕らの年の差を、 埋めることなんてできないけれど。 僕はもっと早く生まれて、 もっと長く、君と一緒にいたかった。 それが、永遠に叶わない、僕の願い。 20代地味系男子 ✖️ アラフォー女性 人生を変えた短い恋 姪っ子:沙良の 【あの夏の日のこと、私はきっと忘れないだろう】 を合わせて読むのもオススメです♪
ウルルであなたとシャンパンを

総文字数/85,498

恋愛(その他)169ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
付き合っていた彼氏と 結婚することを夢見ていた、香耶(かや) けれど、実は既婚者だったと告げられて…… 不毛な関係を終わらせ、 ひとり、オーストラリアへ! 思い切りよく出てはきたものの、 知らない土地で1人。 しかも、英語も話せない… 落ち込んでいた香耶が出会ったのは、 モデルみたいにキレイな……男の子⁈

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop