最低男との結婚
思わず、大輔の方に目を向けると
私と目が合ったと同時に、


「・・・分かった。いいぞ。
んじゃ、めし食ったら
カナん家来るわ。
あぁ、はいはい じゃあな」



再び携帯をソファーに投げると

食卓のイスに腰を下ろし

何事もなかったかのように

食事を続けた。



言いたい事は、嫌われる覚悟で言うって・・・

決めてたのに・・・・


何も言えない、聞けない自分。


後悔しないように・・・


できる事はしたいって思ってるのに


何も踏み出せない。



「ごっそうさん、うまかった」


そう言いながら箸を下ろすと


お風呂へ直行し、


慌しく上がり、身支度を整えながら



「んじゃ、行ってくるわ」



そう言いながら、私の顔を見ている。


いってらっしゃいって

言わないと・・・


でも・・・その言葉が言えないまま


「どこ行くの・・・?」


そんな言葉が出ていた。






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