最低男との結婚
結局、そのまま
大輔の寝顔を見ているだけで
時間というものは
瞬く間に過ぎてしまい、

気づいた時には
6時を回ってしまっていた。


隣に寝ている大輔を起こさないように
そっと、布団を抜け
リビングの方へ行き
カーテンを開けた。

少し肌寒いけれど
朝日が差し込み
何だか、ほっとしてしまう空気だ。


ベランダに出ると、通勤通学の人達が
忙しなく歩き

そこで、ようやく

自分のするべき事を思い出した。


電車だった!


何時の電車に乗るべきなのかすら、まったく調べてないのに

こんなに悠長に

朝から人間観察なんてしてる時間はない。


隣の部屋に行き

急いで制服に着替え

アパートを出たけれど・・・・



考えてみたら・・・

いや、考えてみなくても・・・


私は、この付近の道というものを知らないわけで・・・


情けない事に、アパートの入り口で

携帯の地図で
どっちが駅方向なのかを

まず、調べている。




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