高梨さんと北条くん

その日の放課後すぐに行われた図書委員会で、わたしと北条は初めてしゃべった。

「一年間よろしく。」

そう言って爽やかな笑顔で右手を出してきたので、わたしも右手を出して、握手をする。

「こちらこそ」


「高梨って全然表情かわんないのな」

彼にとってのわたしの第一印象だろう。

確かに私は表情が変わることはほとんどない。
対して妹は表情豊か、なんだけれど。


とりあえず表情のことから話を外そうと思って質問をした。

「北条は何か部活やってるの?」

「俺?俺は、料理部の部長だよ」
< 10 / 70 >

この作品をシェア

pagetop