冷徹ドクターに甘やかされてます



「…はいはい、」



そして、ねだる通りに顔は近づきキスをする。ところが予想外なことに、体はそのまま後ろへ押し倒された



「ひゃっ…春田先生?」



「で?どこまでがお望み?」



「へ?どこまでって…っ〜…キスまででいい!もう充分!」



顔を真っ赤にしてはその体を押し返す私に、彼はからかうように頬や額にキスをしては笑う。

そして体を強く抱き締めて、また唇へ触れるキスをした。…が、その時





「…ちょっと、押さないでよ。いいところなのに見えないじゃん」



「あらやだ、私にもちょっと見せて」



「ねーねー、はるたせんせーとりくちゃんなにしてるのー?」



「やっぱりあの二人、ああいう仲だったんですね」



「だから言ったじゃん?最近の不仲も痴情のもつれって」



「ちじょー?」



「ってことは、いつか春田先生が僕のお兄ちゃんになるのかな?」



「それどころかあっという間に灯くんも叔父さんという立場に…」



「……」



「……」



ボソボソと聞こえる声たちに、春田先生は無言のまま体を起こしては病室のドアをガラッ!と開けた。


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