シンデレラ☆ジョブ

 ピンポン♪ とチャイムが鳴った。



 ドキッ☆ とする胸を押さえ

 あたしは鏡を確認する。



 大丈夫かな?

 ヘンじゃないかな?



 化粧なんてしたことないから

 里美に教わっていっぱい練習した。



 髪も巻いたし、掃除もしたし

 夕食の用意もバッチリだ、よし!!



 あたしは、走って玄関を開ける。





「おかえりなさい」



「ただいま、おっ!! いいね、イメージ通りだ」





 平井さんの『いいね』をもらって

 内心ホッとした。





「夕飯出来てますからどうぞ」



「ありがとう、おっ、和食?」



「はい、冷蔵庫の中使わせてもらいました」



「あぁ、親が送って来てた野菜とかだっけ? 助かったよ、俺料理ダメだから」



「お口に合うといいんですけど」





 席に着く平井さんに合わせ

 あたしは

 ご飯とお味噌汁をよそう。





「いただきます、まともなご飯久々だ」





 綺麗な箸使いをボンヤリ見ていると





「美味しいよ? 食べないの?」



「は、はい、頂きます!!」





 あわてて、あたしも箸をとる。





「あと、明日デートしようか? バイト入ってたっけ?」



「大丈夫です」



「じゃあ決まり、それと、お願いが1つ」



 ?



「デート中は敬語禁止ね」



「……は、い」





 上手くしゃべれるかな?



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