私を見てくれていた人

─決断─




「──────私、もうやめるよ。」


彩矢の頭の上にはハテナがいっぱいだ。


「私、あいつのこと諦めるから。
 もう前に進もうと思う、」


「本当にいいの…?」



「うん。」



「後悔しないの?気持ち伝えないまま終わって
 もいいの?」


「………うん。」



「そっ…か。」



「うん、ごめん…。
 今まで散々相談に乗ってもらったりしたのに
 こんな感じでさ…、本当ごめんね。」


少し目尻を下げて彩矢は



「菜乃架が決めたことだから。
 私は応援するしかないじゃん!謝んないでよ
 それに、…私が何言っても決意は変わんない
 でしょ?」


やっぱり彩矢は私のことよく分かってくれてるな…

いっつも、彩矢は私の見方をしてくれる。

間違ってることは間違ってるって言ってくれる。

私のこと理解してくれる。

私と友達でいてくれる。



───ありがとね、彩矢。


いつの間にか、私は涙をポロポロ流して泣いていた


彩矢は優しく微笑んで


「何かあったら言って?絶対。
 溜めちゃダメだよ?その為に私が友達がいる
 んだから。いい?」



「ん。ちゃんと言うようにする。
 ありがとね、彩矢」


彩矢は照れくさそうに頭をかいている


本当に私って幸せ者だな~………





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