大事なものは、いつでもそばに
彼の足は、歩くには支障はないが、今までのようにサッカーはできないだろうと、それが医師の診断だった。

ことの重大さに、私は怖くなった。自分のせいで、彼は…

怖くて、目の前の現実を受け入れられなかった私は、彼を直視できなかった。彼は私を恨んでるはずだ。事故の原因を作った私を…

事故後、彼は自分の事故は自分の不注意で起きたことだから、と笑い飛ばしていたのだ。その笑顔が信じられず、私はもう彼と一緒に笑うことはできなかった。

そんな私に対する態度を彼は僅かながら変えた。幼い時からどんな時でも、私を守ってくれた恭介。足の怪我が治ってからも、今まで通り家に入り浸るの変わらなかったが、私を直視してはくれなかったのだ。
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