ハッピーハッピークリスマス
「茉依ちゃん、ちょっと休んで来ていいよ。
あ、あとこれ、飲んで」
店長が気を使ってか、私に休憩と差し入れに温かなココアを渡してくれた。
「そういえば、茉依ちゃんまだ大丈夫?茉依ちゃんの予定も聞かずにバイト延長頼んだけど……」
「……」
さすがに温かなココアを頂いてしまった後のこの質問に、私はなんて答えていいのか分からなくなる。
でも、後どのぐらい掛かるのかな?
それぐらい聞いてもいいかな??
「あ…あのー」
「あっ、見て茉依ちゃん。雪が散らついてる。
どうりで寒い訳だよね!?」
「………」
店長は空を見上げ、目に飛び込んで来た白い小さな物体に目を輝かす。
私は店長のその台詞で、言いそびれた言葉をこの闇の中に葬った。
そして、私も空を見上げた。
「……本当だ」
ちらちらと舞う真っ白な小さな雪。
本当なら店長とでなく、この雪を彼と見たかったな。
「……休憩、行ってきます」
「いってらっしゃい」
店長の弾む声を背に私は休憩室に向かった。