Treasure~もう一度、恋~
「…久しぶり」

「…」

「おい」

「…」

「…有希?」

「…って」

「手?」





「…って、芸能人がこんなとこで何してるのよーっ!!!」




あたしは、すごい勢いで瞬の腕を掴むと、陽斗と3人、なだれ込むように

アパートへと駆け込み、鍵をかけた。




見られてないよね?

大丈夫だよね??




「…おかあさん、力持ちだねー」

「いってぇなぁ…」




「…」

「久しぶり」

「なんで、ここに…」





玄関には、今をときめく人気俳優、大河内瞬がしりもちをついている。

陽斗は、黙ってその腕に抱かれるように座っていた。




「誰かに見られたらどうするつもりなの?
 せっかく俳優として成功したのに、スキャンダルなんて…」




瞬は、驚いたように目を見張ると、すぐに笑った。

あの、太陽のような笑顔で。




「ぶはっ。…3年経っても、俺の心配かよ。」

「!」

「変わってねぇな。」








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