Treasure~もう一度、恋~
「陽斗、ちょっとお話があるんだけど」

「ん?なーに?」



ブロックを片手に、陽斗は振り向いた。

戻るにしても

新しく始めるにしても



まずは、陽斗にわかってもらいたい





「この前遊びに来たおにいちゃん、覚えてる?」

「うん。おっきなメガネにマスクしてたおにいちゃんでしょ?」

「…おにいちゃんがね、陽斗のお父さんなの」

「え?」

「あのおにいちゃんが、陽斗のお父さんなんだよ」

「…そうなの?」

「うん」



大きな目をますます大きくして、陽斗はなにかを考えているようだった。

待とう

いくらだって、何度だって説明しよう

だって

陽斗にとって、すごく大切なことだから



「…お母さんは、あのおにいちゃんが好きなの?」

「え?」

「好き?」



まっすぐな瞳であたしを見上げる陽斗



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