Treasure~もう一度、恋~
「それを、彼は3年間探し続けてくれて…やっと再会出来たの。
 だから、彼は自分が父親だってことも、最近知ったんだよ?」

「…」



平澤くんは、ただ黙ってあたしの話を聞いてくれた。

少し辛そうに

でも、まっすぐな瞳で




「…有希さんは、今幸せなんですか?」

「うん」

「即答、ですね…」

「幸せだよ。好きな人が、ずっとあたしを探しててくれて…
 陽斗を、何の躊躇いもなく、受け入れてくれたんだから」




瞬は、陽斗を拒否しなかった。

むしろ

受け入れて

愛し始めている





「…そっかー!」




平澤くんは、天を仰ぐと、眉毛を下げたまま、大きく息を吐いた。

そして、笑った。



「だったら、いいです。」

「え?」

「有希さんと陽斗が幸せなら、俺も幸せですから」




無理してる。

それがわかるくらい、平澤くんは泣きそうに笑っていた。



「じゃあ、俺そろそろ行きますね。」

「あ、うん…」




伝票を持つと、平澤くんは一度だけ振り向いた。





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