Blue sky days
とある国の王子が、不思議な力を持った子を授かった。
その子は、生まれながらに「魔法」と呼ばれるものが使えたのだ。
不思議に思った王子は、森の中にいる、親しい魔法使いを訪ねた。
魔法使いはその子を見るなり、
「この子を私に譲ってくれ。ほしいものがあるなら何でもやろう。
この子は私が育てよう」
というのだ。
妃と話してから、という答えを残して、
その日は城に帰った。
妃は、「この子がそのほうが幸せになれるなら」
と、涙を流しながら決断した。
きっとこの子は、城にいては危険だと思ったのだろう。
そして、ついに決別の日が来た。
妃は、時間が来るまでずっと子を抱いていた。
「あなたは、母親と離れて暮らすのよ」
と、言葉がわかるはずのないわが子に話しかけていた。
その時、我が子の涙が青い宝石に変わった。
我が子にはまだ名前がなかった。
そのため、妃はこの子に「Blue」となずけた。
妃は、自分も魔法が使えたので、
ブルー(ここからはカタカナ)の流した宝石に
「Blue」の名前を金で書き、ネックレスにし
ブルーの首にかけた。