クリスマスの贈り物
「「サキっ!」」


パパとママはサキちゃんの
姿を見るとぎゅうっと
抱きしめました。


「く、苦しいよ。」


「当たり前でしょ、
どれだけ心配したことか」


ママがサキちゃんの顔を見ながら
言いました。


夜遅く、お仕事が終わって
サキちゃんが居なくなっていることに
気づいたパパとママは
とても心配していたのです。


なのでサキちゃんは
本当の事を言いました。
見習いサンタのことも
赤い帽子を被ったネコの事も。


パパとママは
サキちゃんの話を信じました。
だって、サキちゃんを連れてきたのは
赤い帽子を被ったネコだったからです。
ネコは帰り際、二本足で立ち上がると
パパとママにとてもとても丁寧に
まるで、どこかの王子さまの様に
お辞儀をして帰ったからです。


「あっ、パパとママのプレゼント
ソリに置いてきちゃった。」


サキちゃんが残念そうに言うと


「プレゼントはいらないよ。
君がこの世に生まれて来て
こうして元気に育ってくれている事が
パパとママにとって
最高のプレゼントだからね。」


そう言うとパパとママは
またぎゅうっと
サキちゃんを抱きしめました。


なので、
お家の外でコトンっと
音がしたことに誰も気づきませんでした。





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