あたしはウサギ。~飼い主は悪魔さん~
「どうしたの?」
あたしには絶対に見せてくれない、王子様の微笑み。
「あ、あの話があるんですけどっ…いいですか?」
その子は、あたしの方をチラッと見て、言った。
「いいよ。…じゃあ一人で帰れるよね。」
その言葉はあたしに向けて発せられたもの。
疑問形じゃなくて、肯定形なのがちょっとだけ苦しかった。
「…うん。」
そのまま一人で帰るあたし。
みじめで、バカバカしくて、悔しかった。
けど、急に鳴った、メールの着信音。