あたしはウサギ。~飼い主は悪魔さん~




「どうしたの?」





あたしには絶対に見せてくれない、王子様の微笑み。






「あ、あの話があるんですけどっ…いいですか?」




その子は、あたしの方をチラッと見て、言った。








「いいよ。…じゃあ一人で帰れるよね。」





その言葉はあたしに向けて発せられたもの。




疑問形じゃなくて、肯定形なのがちょっとだけ苦しかった。






「…うん。」






そのまま一人で帰るあたし。



みじめで、バカバカしくて、悔しかった。





けど、急に鳴った、メールの着信音。



< 9 / 15 >

この作品をシェア

pagetop