Noisy Christmas

外は冬枯れだ。
ぴゅうぴゅうと北風が私の体を凍えさせていく。

「寒っ」

思わず地面に向かって零した。

「落着いて話したいから。そうだなぁ。楢崎の家のそばにいい感じの店があっただろ。そこ行くぞ」

国澤は、有無も言わせぬ態度で指示すると、ズカズカと先をいく。

元々、週明けには相談を聞く予定でいたから別に構わないのだけれど、今もポケットに収まったたまま保留状態の白い封筒のことを思うと気分が滅入ってしかたない。
なんて国澤に話したらいいか、と私は暗い気持ちになっていた。

「ビールでいいか?」

国澤は私の返事も待たずに二人分のビールを注文した。

「しっかし。世の中は賑やかだな」

キョロキョロと店内を見回して、国澤は心なしかそわそわとした様子でわざとらく言葉を零す。
私はポケットの中の重みに心臓が圧迫されすぎて、それどころではない。

リズミカルな音楽の中で鳴る鈴の音も。
普段以上に浮き立つお客たちの話し声も。
今の私には、どーでもいいのだ。
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